住宅金融支援機構(じゅうたくきんゆうしえんきこう)
住宅金融支援機構とは、国が設立した公的な金融機関で、正式には「独立行政法人住宅金融支援機構」といいます。以前の「住宅金融公庫」の業務を引き継ぎ、民間の金融機関と連携しながら、長期・固定金利の住宅ローンである「フラット35」などを提供しています。営利を目的とせず、国民の安定的な住まいの確保を目的とした機関です。
住宅ローンの貸付そのものは民間の金融機関が行いますが、住宅金融支援機構はそのローン債権を買い取り、証券化して投資家に販売することで資金を調達します。これにより、民間金融機関はリスクを抑えながら、長期固定金利のローンを貸し出すことが可能になります。
任意売却において、住宅金融支援機構が関係するケースも少なくありません。たとえば、フラット35を利用して住宅を購入したものの、ローンの返済が困難になった場合、債務者は住宅金融支援機構を含む関係先と調整を行う必要があります。任意売却を進めるには、住宅金融支援機構から任意売却の承認を得ることが不可欠です。
また、同機構は借主が返済困難に陥った際に「返済特例」や「条件変更」などの救済措置を提供していることもあり、任意売却を検討する前に相談してみる価値があります。公的機関ならではの柔軟な対応が期待できる場合もあります。
任意売却をスムーズに進めるには、住宅金融支援機構の制度や対応方針を理解したうえで、的確に交渉を進めることが大切です。