立ち退き(たちのき)
立ち退きとは、現在住んでいる住宅や使用している土地・建物などから、所有者や裁判所の要請により退去することを意味します。任意売却や競売の場面では、住宅ローンの返済が困難になった結果として不動産を手放す際に、所有者本人やその家族が「立ち退き」を求められるケースが発生します。
任意売却の場合、物件に住んでいる人(占有者)と買主との間で退去の時期や条件を事前に話し合うことが可能です。引越し費用の一部負担や退去までの猶予期間の交渉ができることもあり、比較的円満に立ち退きを進めることができます。
一方、競売になった場合は、落札者が新たな所有者となり、占有者に対して退去を求めることになります。もし立ち退きに応じない場合、最終的には裁判所を通じて「強制執行」が行われ、強制的に退去させられることになります。このような事態になると、精神的・金銭的な負担が大きく、プライバシーの面でも大きなリスクを伴います。
そのため、立ち退きが避けられない状況にある場合は、競売に進む前に任意売却を選ぶことで、退去時の条件を自ら調整できる可能性が高まります。早めの判断と専門家への相談が、スムーズな立ち退きと再出発につながります。