専任媒介契約(せんにんばいかいけいやく)
専任媒介契約とは、不動産を売却する際に、特定の1社の不動産会社だけに仲介業務を依頼する契約のことをいいます。これは、不動産売却を成功させるための基本的な契約方式のひとつで、売主と不動産会社の間で結ばれます。
専任媒介契約を結ぶと、売主は他の不動産会社に重ねて依頼することはできません。つまり、選んだ1社だけが売却活動を行うことになります。ただし、売主自身が知人や個人で買主を見つけた場合には、その相手と直接売買契約を結ぶことは可能です。これが「専属専任媒介契約」との大きな違いの一つです。
専任媒介契約の特徴として、不動産会社には売却活動の状況を売主に対して定期的に報告する義務があります。具体的には、原則として2週間に1回以上の頻度で、販売状況や問い合わせ状況などを報告することが法律(宅地建物取引業法)で定められています。これにより、売主は売却の進行状況を把握しやすくなるメリットがあります。
また、専任媒介契約を結ぶと、不動産会社はレインズ(指定流通機構)と呼ばれる不動産情報ネットワークへの登録義務も発生します。これにより、全国の不動産会社がその物件情報を共有でき、多くの買主に情報が届きやすくなります。
契約期間は原則3か月で、期間終了後には更新や契約解除が可能です。専任媒介契約は、不動産会社にとっても販売に力を入れやすい契約形態である一方、売主にとっては不動産会社選びが非常に重要になります。信頼できる不動産会社と契約を結ぶことが、納得のいく売却を実現するための大きなポイントといえるでしょう。