破産管財人(はさんかんざいにん)
破産管財人とは、自己破産の手続きにおいて裁判所によって選任され、債務者(破産する人)の財産を管理・処分し、そのお金を債権者に公平に分配する役割を担う専門家のことです。通常、弁護士が任命されることが多く、破産手続きの公正な運営を監督する重要な存在です。
すべての自己破産に破産管財人が付くわけではなく、債務者に一定の財産がある場合や、免責不許可事由(浪費やギャンブルなど)があるときに選任されます。このような場合、「管財事件」として取り扱われ、破産管財人が破産者の財産調査、資産の売却、債権者への配当、さらには免責に関する意見書の提出までを行います。
任意売却との関係では、自己破産と併用する際に注意が必要です。もし任意売却を行う前に破産を申し立てた場合、その不動産の処分権限は破産管財人に移ります。そのため、勝手に売却することはできず、売却を希望する場合は破産管財人の判断に委ねられます。
一方で、自己破産を検討しているが任意売却を先に進めたいという場合は、破産申立ての前に任意売却を完了させておく必要があります。破産管財人が選任されるかどうかや、任意売却のタイミングは重要な判断ポイントとなるため、専門家に相談しながら慎重に進めることが大切です。