代位弁済(だいいべんさい)
代位弁済とは、本来の債務者に代わって、第三者が債務(借金など)を支払うことを指します。一般的には、保証人や保証会社が債務者に代わって金融機関などへ支払いを行うケースが多く見られます。この「代わりに支払う」という行為により、支払いをした第三者は債権者の持っていた権利を引き継ぎ、債務者に対して支払いを求めることができる立場になります。
たとえば、住宅ローンを滞納した場合、ローン契約時に保証会社が付いていると、金融機関は保証会社に代位弁済を請求します。保証会社が弁済を行った後は、今度は保証会社が債権者となり、債務者に対して支払いを求めてきます。これにより、債務者の「支払先」が金融機関から保証会社に変わることになります。
代位弁済が行われると、債務者の信用情報(いわゆるブラックリスト)にも影響を及ぼします。代位弁済の記録は信用情報機関に登録され、以後、新たなローンやクレジットカードの審査に通りにくくなる可能性があります。また、保証会社は弁済後、任意売却や法的手続き(競売など)を通じて、債権回収を進めることもあります。
任意売却を検討している方にとって、代位弁済は重要なターニングポイントです。代位弁済が行われた後は、交渉相手が保証会社に変わるため、売却条件や債務整理の方針について改めて調整が必要になります。早めに専門家へ相談し、適切な対応を取ることが大切です。