賃貸借契約(ちんたいしゃくけいやく)
賃貸借契約とは、ある物(主に土地や建物などの不動産)を貸す人(貸主)が、借りる人(借主)に使用させることを約束し、借主がその対価として賃料(家賃など)を支払う契約のことです。もっと簡単に言えば、「借りたい人」と「貸したい人」の間で交わす“物件を借りるための約束”です。
この契約では、使用目的や賃料、契約期間、更新の条件、解約方法、原状回復の取り扱いなどが定められます。住宅の場合は、通常「普通借家契約」または「定期借家契約」のいずれかの形態で結ばれます。普通借家契約は原則として契約期間が終了しても借主の希望により更新できる一方、定期借家契約は契約期間満了で終了します。
任意売却において賃貸借契約は重要なポイントのひとつです。売却予定の不動産に賃借人が住んでいる場合、その契約内容によっては、売却後も入居者が住み続けることになります(オーナーチェンジ物件)。また、借主の立場は法律で強く保護されており、たとえ所有者が変わっても契約内容は原則として引き継がれます。
そのため、任意売却を行う際には、物件が空室かどうか、賃貸借契約があるかどうかを事前に確認し、買主との調整や入居者への対応を慎重に進める必要があります。契約内容を正しく把握しておくことが、スムーズな売却につながります。