売却代金(ばいきゃくだいきん)
売却代金とは、不動産を売却した際に、買主から売主に支払われる金銭のことを指します。これは売買契約書であらかじめ定められた金額であり、不動産の価格そのものといえます。通常、不動産の引渡しと同時にこの売却代金が支払われるのが一般的な流れです。
任意売却においても、売却代金は非常に重要な役割を果たします。というのも、任意売却は住宅ローンなどの返済が困難になった場合に、債権者(主に金融機関)の同意を得て物件を売却する手続きであり、売却によって得られた代金はまずローン残高の返済に充てられるからです。
具体的には、売却代金の中から住宅ローンの返済のほか、差押えの解除費用、滞納している固定資産税や管理費、仲介手数料などの必要経費が優先的に支払われます。こうした費用の配分については、金融機関と不動産会社、場合によっては弁護士なども加わり、細かく協議・調整されるのが特徴です。
なお、売却代金がローン残高に満たない場合には、「残債務」が発生します。この残った借金については、売却後に債権者と協議し、分割返済の計画を立てることが多く、一括返済を求められることはあまりありません。
このように、売却代金は単に売主の利益になるものではなく、任意売却における債務整理や生活再建の出発点となる非常に重要なお金です。売却前には、売却代金の使い道や残債の処理方法をしっかり理解しておくことが、安心して手続きを進めるための鍵となります。