督促(とくそく)
督促とは、住宅ローンや借金、クレジットカードの支払いなどが遅れたときに、金融機関や債権者が「支払いが確認できていないので、早く支払ってください」と借主(債務者)に対して催促する手続きや連絡のことをいいます。
住宅ローンの場合、返済日を過ぎても支払いがされていないと、まず最初に行われるのがこの「督促」です。具体的には、金融機関から電話やメール、郵送で「入金確認ができていません」「早急に支払ってください」といった連絡が届きます。この段階では、比較的柔軟に対応してもらえることが多く、事情を説明したり返済日の相談を行うことが可能です。
しかし、督促を無視したり、返済を先延ばしにし続けると、次の段階として「督促状」や「催告書」といった正式な書面が届くようになります。この書類には「〇月〇日までに支払いがない場合は法的措置を取ります」といった内容が書かれていることが多く、より事態が深刻になっているサインです。
さらに督促が続いても支払いがされない場合、金融機関は「期限の利益の喪失(きげんのりえきのそうしつ)」といって、残っている住宅ローンの全額を一括で返済するよう請求してくることがあります。これは分割払いの権利を失う重大な状態です。その後も支払いがなければ、差押えや競売といった法的な手続きに進んでしまうリスクが高まります。
このように、督促は住宅ローン滞納の初期段階で行われる重要なアクションであり、無視や放置は絶対に避けるべきです。返済が難しいと感じた時点で、できるだけ早めに金融機関や専門家に相談することで、任意売却などの対処法を検討し、競売や差押えを回避できる可能性が高まります。